アート鑑賞2年生 ブリューゲルのバベルの塔を予習!芸術初心者が国立国際美術館に行く前に知っておくべきこと

今年に入ってから『日経おとなのOFF』や『AERA』でも特集され、今季一番注目されていると言っても過言ではない「バベルの塔」展

東京の東京都美術館で開催された際には、来場者数30万人を突破し、入場制限まで設けられるなど大盛況だったようです。

前回のブログでは、「アート一年生「バベルの塔」が初めましてのあなた必見」というタイトルで、モチーフに注目して作品を見る見方をご紹介しました。

今回は第2弾ということで、バベルの塔のストーリーや描かれているモチーフについて、詳しくご紹介していきます

■「バベルの塔」ってどんなストーリー?

旧約聖書に記された「バベルの塔」をざっと要約するとこんな感じです。

当時、人間は皆同じ言語を使っていました。

人間はノアの洪水(※)の後、少しずつ文明が発達していくにつれて、それぞれが場所を見失わないようにと、天にも届きそうなくらい高さのあるバベルの塔を立てようと企てます。

それを見た神様は怒り、塔の完成を阻止するために、人々が互いの言葉を理解できないように混乱させました。

※ノアの洪水・・・旧約聖書「創世記」に書かれた物語で、神が地上の人間たちの堕落っぷりを見て、大洪水を起こすことを決め、神と共に歩んできたノアに箱舟の建設を命じました。箱舟に乗った動物とノアの家族は助かりましたが、他の人間たちは助かりませんでした。

神様は、このようにどこか狭量的で人間くさいところがあります。

ブリューゲルの描くバベルの塔はこの物語をもとにしています。

■実は三作ある「バベルの塔」

ブリューゲルの「バベルの塔」って実は三つあるのをご存知ですか?

残念ながら一作目は消失してしまっていて、我々が見ることができるのは二作目と三作目。

ではまず二作目から見ていきましょう。

ピーテル・ブリューゲル《バベルの塔》1568年以前(ウィーン美術史美術館蔵)

今年の6月にウィーンの美術史美術館に行った時に撮ってきました!

左の下の方には、バベルの塔建設を指示したニムロド王(ノアのひ孫)が描かれています。

こういう塔を建てる時は内部を仕上げてから外部を仕上げるのが普通ですが、ブリューゲルは外部から内部へと作業を進める様子を描いていて、この塔自体完成不可能だったのではないかと言われています。

それを踏まえて三作目を見てみましょう。

今回「バベルの塔」展のチラシにも使われているので、ご覧になった方も多いかもしれません。ピーテル・ブリューゲル《バベルの塔》1568年頃(ボイマンス美術館蔵)

二作目と比較して、三作目は目立った人物像は見当たらず、永遠に未完成のまま終わりそうだったバベルの塔は完成形へと近づいています

聖書に則ったバベルの塔を表現するというよりは、「バベルの塔」というモチーフ自体に関心が高くなっているような気がします。

サイズは二作目の半分ほどですが、細かいところまで入念に描き込まれています。

■何かに似てる、バベルの塔。

ところでこちらの塔、何かに似てると思いませんか?

(アート鑑賞一年生の皆さん、再度お付き合いください)

そう、イタリアのローマにあるコロッセオによく似ています!

はい!これは私が先月2017年の6月にイタリアの首都ローマに行った時に撮影した写真です。

実は、ブリューゲルは彼自身がイタリアへ留学した際に、ローマの中心地にあるコロッセオを見て、それを原型としてバベルの塔を描いたと言われています。

では、コロッセオとバベル、どっちが高いのでしょうか?

調べたところによると、コロッセオは全長48m

バベルはなんと510m

コロッセオの約10倍です。

日本のスカイツリーと比較すると・・・

画像引用元

http://www.asahi.com/articles/ASK4N5248K4NUEHF00B.html

そう、バベルの塔の方が若干小さいんです。

■バベルには人が住んでる!?

三作目のボイマンス美術館所蔵のバベルの塔には、なんと、建設作業員以外に、バベルに居住している人が描かれています。

なんでそんなこと分かるの?と思われた方のためにご説明しましょう。

こちらはバベルの塔三作目の拡大図ですが、中央よりやや下のあたりに白いペロッとしたものを掛けている人が見えます。

この人なんと洗濯中で服を干しています。

こちらは先ほどの写真よりやや上部のバベル拡大図。

中央よりやや上部のところに、ガラスの窓がはめられたところがありますよね。

その下の方には、ずらずらと何やら並ぶ人たち・・・。

この人たちは参拝者で、教会が実際に機能していたという証拠になっています。

三作目のバベルの塔には、人が住んでいて、そこでは人々が生活していることがお分かりいただけたでしょうか。

ここまで知ったら、アート鑑賞二年生は卒業です。

おめでとうございます。

さぁバベルを見に行きましょう。

バベルの塔展はお土産コーナーが結構充実しているので、そちらも要チェックです。

バベルの塔に見立てた陳列がたくさん。

このスノードームちょっと欲しい・・

こちらはタラ夫のフィギュアです。

どこに置くかは別として、見るだけでも楽しいですよ。

 

————————————————

「バベルの塔」展 国立国際美術館

会期:2017年7月18日〜10月15日

バベルの塔展詳細はこちらをクリック

あわせて読みたい

コメントを残す