浮世絵は実際に刷ってみないと良さがわからない?上方浮世絵館で浮世絵を深堀り!

あべのハルカス美術館で開催された「北斎」展、大盛況でしたね〜。

富嶽三十六景の《神奈川沖浪裏》を始め、北斎晩年の作品や娘応為の作品など、盛りだくさんな展覧会でした。

ところで、皆さんは北斎の作品は北斎が自分で刷った作品ではなく、彼は図案を描いただけって知っていましたか?

北斎を始め、私たちが見ている浮世絵の作品は全て、絵師彫師刷り師の三人で制作されているんです。

驚きですよね。

北斎のあの作品は彫師と刷り師の技術なくして成しえなかったんですね。

今回は知っているようでよく知らない浮世絵の“刷り”の部分をを深掘りしようと、上方浮世絵館(※)で浮世絵刷り体験に行ってきたお話をしようと思います。

※上方浮世絵館は上方(現在の京都、大阪あたり)を中心として栄えた、上方の役者をテーマとした浮世絵を多く展示する美術館です。

浮世絵の発祥の地はなんと京都。

ですが、江戸時代に江戸で1765年に多色刷りによる浮世絵が始まり、美人画や風景画などがたくさん制作されたことによって浮世絵ブームは江戸で先に花開きます。

上方の方は、江戸よりもやや遅れる形で浮世絵が流行し、江戸とは違い、役者絵がたくさん制作されました。

なぜ、江戸と同じく美人画や風景画などがメインではなく、役者絵が流行ったのでしょうか?と学芸員に尋ねてみたところ、

学芸員の方曰く、その理由は芝居小屋の数の差にある、と回答がありました。

当時、江戸では1座しか芝居小屋がなかったのに対し、町人・商人の町大阪には5座も芝居小屋があったそうです。

なるほど、上方浮世絵に役者絵が多いのはそういう理由だったんですね!

ではでは早速浮世絵刷りの実況中継を始めましょう!

私たちが挑戦したのは、4色刷りにグラデーションをつけていく上級コース。

版画を刷るのは、小学生の時に一色刷りの版画を刷って以来。

なかなか緊張します。

使う道具は版木とばれん、竹筆とハケ、そして絵の具です。

版木に使われる木は「山桜の木」だそうで、この木は油っ気が多く、耐久性があることから、当時からよく使われていたそうです。(この木、お値段けっこうするそうです)

①まず主版を元に輪郭線を刷ります。

絵の具を版木に塗ってから、ハケでムラをなくしてから・・・

見当(けんとう)」と呼ばれる印に合わせて紙をセットし、ばれんで均等に刷っていきます。

スリスリスリスリ・・・・・

小学校の時に体験して以来ですが、手慣れた手つきです。

はい、ちょっとドヤ顔で刷り終わりました。

②次に赤色→黄色→緑色の順に色をのせていきます。

版木は色に合わせて用意されています。

輪郭線だけが彫られた主版が一枚、赤色の部分だけが彫られた版木が一枚、黄色専用の版木が一枚、緑色専用の版木が一枚、そしてグラデーションをつけるための版木が一枚です。

写真に写っているのは、赤色専用の版木です。

版木に色をつけたら、ハケでならして、見当に紙をセットし、ばれんで刷っていきます。

はい、ここまで刷り上がりました。

③最後にグラデーションをつけていきます。

グラデーションは、左側に絵の具をつけて、右側には水を垂らして紙をセットし、ばれんでこすります。

版木から剥がすと、紙に余分な水分が付着したままになっているので、ティッシュでポンポンと軽く押さえたら、完成!

じゃーん。

石畳にグラデーションをつけることによって奥行きが出ました!

若干のズレはありますが、なかなかの出来ではないでしょうか!

4色刷りとグラデーションをつけて所要時間1時間弱。

いざ上方浮世絵を見てみると、だいたいが20色以上の多色刷り。

刷り師の人たちはこの作品を一枚あたりどのくらいの速さで刷っていたんでしょう・・・

しかも1枚どころじゃなく、何百枚と同じ柄を刷っていくんですよね・・・

もうね、浮世絵の見方がガラッと変わりましたね。

 

皆さんも是非浮世絵体験してみてください。

とっても面白いです。

 

♦上方浮世絵館♦

〒542-0076

大阪府大阪市中央区難波1-6-4 TEL/06-6211-0303

開館時間/11:00〜18:00(入館は17:30)

休館日/月曜日(休日の場合は翌日)

 

♦上方浮世絵館ホームページ♦

http://kamigata.jp/kmgt/

 

♦「浮世絵刷り体験」詳細♦

http://kamigata.jp/kmgt/experience/

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